「トゥモローワールド」PLAINITが可能にした長まわし

 雑誌「CG WORLD 1月号」に「トゥモローワールド」(当ブログでも言及)のVFXについての特集が掲載されている。
 その記事によるとPLAINITなるものによって、擬似1カット撮影が可能になるというのだ。
 私はCG方面に弱いので、詳しくは誌面のほうで確認してもらいたのだが、つまり「トゥモローワールド」のクライマックスのあの1カットの長まわしは、複数カットを1カットに合成したものだというのだ。
     
 ソクーロフの「エルミタージュ幻想」がやはり90分ワンカットという触れ込みで話題になったが、実際はおそらくここでスイッチしたであろう黒みなどが要所にあって、ヒッチコックの「ロープ」と基本的な遣り口は同じだと思った。
 もちろんフィルムが最大11分程度(35mm/1000ft./24fps.)しか記録できないという物理的な限界は、ソクーロフの場合HDを使用することで克服されたはずなので、90分全て1カットで撮影することは物理的には可能である。しかし諸々の事情というものが現場にはあるので(例えば、ライティングの問題、ステディカムオペレーターの体力の問題等々)、現実には難しい。
 だからといって「エルミタージュ幻想」が駄目なのかと言えば、少なくともそのようなことでそうだとは言えない。むしろワンカットで撮りたいという想いに共感するのだ。
 
 つまりPLAINITなるもので、擬似ワンカットの為の黒みや、それに準ずるものを必要としなくなったわけである。
 あのハンドヘルドの長まわしが、実は複数カットを合成して得られた1カットだとわかったからといって「トゥモローワールド」が駄目なのかと言えば、「エルミタージュ幻想」がそうでなかったのと同様にそうではない。
 ただ、「トゥモローワールド」も「エルミタージュ幻想」も「ロープ」のそれとなんら変わらないということ。そこにあるのは長まわしによって何をどのようにして捉えるかの違いしかない。
2006/12/05(Tue) | 未分類 | トラックバック(1) | コメント(0) | page top↑
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