撮影監督の映画批評

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「人生万歳!」(ウディ・アレン)

 続けて観たのが、たまたまそうだったから、そう思うのかもしれないが、「ソーシャル・ネットワーク」(デヴィッド・フィンチャー)で描かれたマーク・ザッカーバーグと、本作のボリス(ラリー・デビッド)はよく似ている。
 全く毛色の異なる2作だが、どちらも冒頭にヒロインとの噛み合ない会話シーンが配されている。しかし噛み合なくしているのは、「ソーシャル・ネットワーク」がマーク本人である一方「人生万歳!」では、メロディ(エバン・レイチェル・ウッド)なのだ。これがシリアスとコメディを分つ分水嶺となる。
 メロディが男に誘われ、自分は平気だと信じるボリスは友人と過ごした後帰宅するのだが、彼女はまだ帰ってきていない。部屋に一人のボリス。メロディが帰ってくる。玄関に迎えにいくボリスにキャメラは着いていき、そのままデートの愚痴を捲し立てるメロディをとらえる。我々観客は、前のシーンでボリスが友人の前で彼女の点数をそれと知らずに上げているのを見ているのだし、帰宅した部屋に一人のボリスの寂しげな佇みを引きの画ですでに見ているのだから、当然ボリスのリアクションが気になる。気になってしょうがない。しかしキャメラはメロディをとらえたまま離さない。ウディ・アレンは徹底的にボリスのリアクションを見せない。マスクとしてのフレーム。おそらくこの映画の中でもっとも長い1カットである。そして繋がれるボリスの極端なクロースアップ。すでに完全に恋に落ちた男がそこにいる。見事。そして贅沢。なぜなら映画的なテクニックは、ほぼここだけだと言っていいからだ。いたずらに策を弄した映画よりも、むしろテクニカル。ベテランにしかできない技。
 
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  1. 2011/01/22(土) 01:04:17|
  2. 映画感想
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著書

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中澤正行

Author:中澤正行
撮影監督

主な作品
2006「天使の卵」
同年 第50回三浦賞受賞
2008「あの空をおぼえてる」

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