撮影監督の映画批評

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

「モンガに散る」(ニウ・チェンザー)

 モンガに転校してきたモスキート(マーク・チャオ)は、後に仲間になる4人に助けられる。つづく塀の上の4人と、その下の見上げるモスキート。手を差し伸べるモンク(イーサン・ルアン)。そして塀を乗り越え、飛び降りたモスキート。しかしそこには時間が省略されていて、すでに仲間となったモスキートが彼らとともにケンカするシーンに、文字通りジャンプしている。ここで思い出されたのが「太陽の少年」(チアン・ウェン)のジャンプカット。少年期の仲間4人組が鞄を宙に放り投げるカットに、落ちてきた鞄をキャッチする青年期の主人公とその仲間を繋げていた。
 これが映画の句読点になる。映画にとってバーティカルな動きは、特別な意味を持つ。なぜかは知らない。しかし、心ある演出家は楔をうつように、バーティカルな動きを導入する。あきらかにその前後を分ちながら、接合もする楔。(6年も前のエントリーでも同じことを言っていた。いやはや成長のないことで)
 ここまでならよくできた演出くらいのものだが、「モンガに散る」がすばらしいのは、ラストにもう一度この塀をフラッシュバックするからである。しかも最初にジャンプされ、語り落とされた時間がフラッシュバックされる。(ここでもまた「太陽の少年」が思い返される。ラスト、プールに飛び込んだ主人公に、プールサイドから伸ばされる仲間の手)
 語り落とされた内容にさして意味があったわけではない。最後にあきらかにされたからと言って、あらたに知らされる事実などない。その内容は徹頭徹尾、予想可能なやりとりにすぎない。(それが証拠に予告編に使われている)
 にもかかわらず、これがすばらしいのは、語り落とされていたという事実そのことに我々観客が意味を見いだすからだ。
 

 
スポンサーサイト
  1. 2011/01/11(火) 23:23:23|
  2. 映画感想
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<「ソーシャル・ネットワーク」( デヴィッド・フィンチャー) | ホーム | 「武士の家計簿」(森田芳光)>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://pointbreak.blog66.fc2.com/tb.php/299-341463d2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

著書

プロフィール

Author:中澤正行
撮影監督

主な作品
2006「天使の卵」
同年 第50回三浦賞受賞
2008「あの空をおぼえてる」

Follow Me on Pinterest

メールフォーム

お問合せはこちらから

名前:
メール:
件名:
本文:

全記事(数)表示

全タイトルを表示

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。