撮影監督の映画批評

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「息もできない」(ヤン・イクチュン)

 執拗に暴力描写を重ね、さらに罵詈雑言しか口にしない周囲から孤立した男として、まず主人公キム・サンフン(ヤン・イクチュン)は描かれる。事務所でひとりソファにふんぞり返らせ他のチンピラたちの背越しに捉えられたカットは、それだけでサンフンのあり方を物語っている。この段階でまだサンフンという主人公は、他人と交わらない人物としてしか描写されないので、観客もまた距離をもって眺めるほかない(感情移入できない。なぜなら感情移入など寄せつけない人物として描かれているのだから)。
 しかし、それが十分なされることが必要なのであった。ヨニ(キム・コッピ)との出会いが、サンフンだけでなく観客にとっても衝撃となるからだ。サンフンに反抗するはじめての登場人物。なにがこの女子高生をして、サンフンに立ち向かわせるのか。この時点で観客は、このヨニに対する謎を媒介としてサンフンに感情移入してしまう。見事。
 「二人の時だけ、泣けた」という惹句にあるように漢江のほとりで二人泣くシーンはたしかに感動的ではあるのだが、個人的にはその前の屋台でヨニと二人はじめてお互いの名前を知って、サンフンが自分の冗談に、初めて歯をみせて笑うシーンの方が感動した。このシーン以降はややトーンダウンする感はあるが、とても楽しめた。
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テーマ:韓国映画 - ジャンル:映画

  1. 2010/05/08(土) 16:00:30|
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著書

プロフィール

中澤正行

Author:中澤正行
撮影監督

主な作品
2006「天使の卵」
同年 第50回三浦賞受賞
2008「あの空をおぼえてる」

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