撮影監督の映画批評

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「マイレージ、マイライフ」(ジェイソン・ライトマン)

(ネタバレあり)
 リストラ請負人のライアン(ジョージ・クルーニー)のもとに、新入社員ナタリー(アナ・ケンドリック)が現れる。自ら解雇通告する為に現地に飛ぶライアンに対し、ナタリーはネットを利用することで実際に現地に飛ばずにすむのだと主張する。
 解雇通告であるからこそ逆に、その場にいて告げるという「人とのつながり」が必要だとするライアンが、その為に「バックパックに入らない荷物は背負わない」をモットーに「人とのつながり」を避けている。
 一方、解雇通告に「人とのつながり」は非効率的だとネットでの解雇を主張するナタリーは、恋人と一緒にいる(恋「人とのつながり」)ために決まっていた就職先を蹴ってまで入社している。
 この市松模様が面白い。さらにその模様が反転する。
 解雇通告するライアンが解雇通告されるという自己言及的なシーンが、ライアンの挑発によるシュミレーションではあるが前半にある。これがMisdirection(「相手の視線・注意力・推理力などを、誤った方にそらせ、実際に起きてい ないことを、起きたと思い込ませるテクニック」)として機能する。観客はこのライアンとナタリーの対立がメインの師弟もので、ライアンとアレックス(ベラ・ファーミガ)の恋愛はよくある添え物であろうと高を括る。
 そして、「バックパックに入らない」関係になろうとライアンがアレックスのもとに行くと、アレックスには家族がいたという結末。「バックパックに入らない荷物は背負わない」をモットーにしていたライアンが、「バックパックに入らない荷物は背負わない」関係でいようと言われるのだ。
 Misdirectionの自己言及(解雇通告するライアンが解雇通告される)はMisdirectionであるがゆえに実現しないのだが、結末の自己言及をひそかに予告していたことに、二重に驚かされる。
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

  1. 2010/04/01(木) 15:11:09|
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著書

プロフィール

中澤正行

Author:中澤正行
撮影監督

主な作品
2006「天使の卵」
同年 第50回三浦賞受賞
2008「あの空をおぼえてる」

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