撮影監督の映画批評

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「私の中のあなた」(ニック・カサヴェテス)

 (ネタバレあり)
 極端にディフューズされたルックは、幸せ家族を描く古びたCMのようで無理をしている。
 そのルックでニック・カサヴェテスは、執拗に家族の幸せそうなシーンを切りとる。白血病のケイト(ソフィア・ヴァシリーヴァ)を抱えるその家族は、もちろん皆、無理をしているのだ。
 それら幸せの描写に翳りを与えるのは、あたたかいはずの、それゆえ翳りを帯びてしまう視線。
 例えば、ケイトをやさしく看病するボーイフレンドのテイラーとのやりとりに翳りを与えるのは、微笑ましくそれを見るサラ(キャメロン・ディアス)の視線であるのだし、ケイトがドレスアップして階段を降りてくるのを小躍りして写真におさめるサラやアナ(アビゲイル・ブレスリン)らを見つめ、翳りを与えるのは父ブライアン(ジェイソン・パトリック)である。さらにケイトを連れ出した海ではしゃぐアナとジェシーを、見つめるのは死にゆくケイト。
 もう無理をしたくないと両親を訴えたアナでさえ、無理して、もう無理をしたくないと主張していたことがわかる。
 
 ケイトを海に連れ出したシーンの最後、夕日がケイトを包み込みホワイトアウトするのだが、そこでニック・カサヴェテスは賢明にも夕日をフレームにおさめることをしない。
 そこで太陽が奪われたのであれば、どこかで現れなければならない。
 そのどこかも的確で、しかも慎ましい。
 
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

  1. 2009/10/10(土) 03:25:41|
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著書

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中澤正行

Author:中澤正行
撮影監督

主な作品
2006「天使の卵」
同年 第50回三浦賞受賞
2008「あの空をおぼえてる」

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