撮影監督の映画批評

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「あの日、欲望の大地で」(ギジェルモ・アリアガ)

(ネタバレあり)
 
 冒頭、炎上するトレーラーハウスのイメージは、誰かの主観的な視点から捉えられているものとして提示されるのではなく、まず客観的に示される。続いて場所を変え、起き抜けの裸のシルヴィア(シャーリーズ・セロン)を後ろ姿で捉える。窓を開け外を眺める裸のシルヴィア。「空気人形」(是枝裕和)のペ・ドゥナもまた裸のまま窓際に佇んでいたが、誰にも見られることはなかった。が、シルヴィアは通りがかる親子にその姿を見られる。動じないシルヴィア。裸であるシルヴィアは、窓外を見る主体としてより、窓外から見られる客体としてある。
 
 物語は時制を前後し、シルヴィアが見たはずのものをひた隠しに語られていく。それは見た後のシルヴィア自身が見なかったこととして抑圧してきたものである。
 そして視点を限定されていなかった炎上するトレーラハウスの画に、シルヴィアの視点が加わる。冒頭では奪われていた視点が与えられたのだ。
 ラスト、娘がシルヴィアを見るその顔に促されて、見る登場人物らのカットがフラッシュバックされ、重ねられる。皆何かを見つめている。そこに加えられるシルヴィアの冒頭のカット。ここで窓際のシルヴィアは見られる客体として観られるのではない。見つめる主体として観られる。
 映画は、非人称視点であった「The Burning Plain」に主観視点を与え、見られる客体であった裸のシルヴィアを見る主体に変える。
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テーマ:ミニシアター系映画 - ジャンル:映画

  1. 2009/10/08(木) 21:55:19|
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著書

プロフィール

Author:中澤正行
撮影監督

主な作品
2006「天使の卵」
同年 第50回三浦賞受賞
2008「あの空をおぼえてる」

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