撮影監督の映画批評

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「HACHI 約束の犬」(ラッセ・ハルストレム)

 パーカー(リチャード・ギア)とハチの姿が、何度かガラス越しの見た目で捉えられる。
その視線の主は、駅の窓越しに見る駅員であったり、本屋の窓越しに見る店員であったり、わざわざ本屋に出前に行ったその窓越しに見る屋台の男であったりするのだが、もっとも感動的なのは妻ケイト(ジョアン・アレン)と、娘アンディ(サラ・ローマー)が自宅の窓越しに見るそれなのだ。犬など飼いたくないケイトが心変わりをし、ハチを引き取りたいという電話の主に断りを入れるのは、ハチとパーカーの姿を窓越しに見たからだ。さらにこれを契機に以降成犬のパートになる。
 窓越しのカットは否応無く距離感を感じさせる。その距離感はもちろん見た目とその主との遠隔であるのだが、それはハチとパーカーの近接とのコントラストで強調される。だからそれら見た目の主も直接ハチと触れ合うが、それら窓越しで捉えられたパーカーとハチの近接を越えることが出来ない。そして訪れる悲劇。
 窓越しのPOVに閉じ込められた記憶が、パーカーの不在を強調する。
 
 彩度を減じられたハチのPOVは、さほど機能していなかったように思う。ひとつだけ、泣き崩れる姿が遠く見える窓を犬小屋から眺めるPOVだけで処理していたのは、慎ましく好ましい。しかし犬のPOVは、「いぬのえいが」の傑作「ねえ、マリモ」(真田敦)に到底かなわない。
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

  1. 2009/08/16(日) 21:18:55|
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著書

プロフィール

Author:中澤正行
撮影監督

主な作品
2006「天使の卵」
同年 第50回三浦賞受賞
2008「あの空をおぼえてる」

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