撮影監督の映画批評

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「春琴物語」(伊藤大輔 )

 盲目の春琴(京マチ子)が少女時代を回想しながら舞うのを、佐助(花柳喜章)は黙って見つめている。春琴が足を踏み外し倒れる。駆け寄る佐助に見られていたことを知った春琴は、激しく叱責する。それは佐助の一方的な眼差しが帯びる権力性が、二人の主従関係を裏切るからである。
 春琴の無力感は、見えないことよりも、見返すことのできないことにある。

 しかし、春琴に見返されないことは、当の見る側には異なる効果を与える。
 それは、佐助と、原作から改変され追加されたおえい(杉村春子)の二人に見てとれる。

 見る側にとって見返されないことは、視線を外す機会が奪われることに他ならない。
 春琴の美しさに文字どうり目が吸い付いて離れない。美しくとも、見返されたならば、目を背けざるをえないだろう。しかし、春琴にその心配はない。
 佐助にとっては、それが恋情に。目を背ける機会を奪われ、いっそ盲目になってしまいたいと嘆くおえいにとっては、それが嫉妬になる。

 だから原作では曖昧なままの兇漢は、おえいに嗾されたことになっている。見返されずとも目を逸らすことができる顔にしたのだ。
 
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テーマ:邦画 - ジャンル:映画

  1. 2008/10/20(月) 00:11:16|
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著書

プロフィール

中澤正行

Author:中澤正行
撮影監督

主な作品
2006「天使の卵」
同年 第50回三浦賞受賞
2008「あの空をおぼえてる」

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