撮影監督の映画批評

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「ギャラクシー・クエスト」(ディーン・パリソット)

 DVDにて再見。
 もちろん「ギャラクシー・クエスト」と言えば「スタートレック」なのだろうが、生憎「スタートレック」をよく知らない。「スタートレック」を知らない私が参照するのは、ルビッチの「生きるべきか死ぬべきか」である。
 プロテクター号乗組員を演じるのと、ゲシュタポを演じるのとでは、随分異なるようだが、ただもうその共通する適材適所感が気持ちいい。いずれにしてもその劇構造は、「スタートレック」のそれよりも似ていると思われる。(知らないくせに)

 ドクター・ラザラス(アラン・リックマン)に顕著だが、とにかく自分の役を嫌っている。「トカゲヘッドに懸けて、復讐を果たす」などという意味のない馬鹿げた決め台詞を決して言うまいとするドクター・ラザラスが、それを端的に示している。
 でありながら、その意味のない馬鹿げたものにたよらざるをえなくなる状況に追い込まれる。何をするにしても、その意味のない馬鹿げたものしか準拠するものを持たない状況に。
 
 悪者宇宙人サリスは、タガート艦長(ティム・アレン)に、サーミアンたちが歴史ドキュメンタリーだと信じて疑わないのはすべて芝居=嘘なのだと説明させる。ただの役者で芝居でしかないのだと。悲しむマセザー。
 サーミアンたちを騙しているうちは、サーミアンたちが観客であった。もう芝居を観せる観客はいない。嘘をつく必要はなくなったのだ。
 しかし嘘をつく相手がいなくなってはじめて、自分でついた嘘を信じ、それにしがみつく。嘘だとわかっているのに嘘しか信じるものがない。そうしてつかれた嘘が、子気味よく機能していき、適材適所がグルーブする。
 だからドクター・ラザラスが、死にゆくクエレックに「トカゲヘッドに懸けて、復讐を果たす」と言うのは、そのセリフが馬鹿げているからこそ感動的だ。
 
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テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画

  1. 2008/09/30(火) 19:32:39|
  2. 映画感想
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中澤正行

Author:中澤正行
撮影監督

主な作品
2006「天使の卵」
同年 第50回三浦賞受賞
2008「あの空をおぼえてる」

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