撮影監督の映画批評

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「心のともしび」

心のともしび

 ボブ・メリック(ロック・ハドソン)の身代わりとなって死ぬヘレン(ジェーン・ワイマン)の夫フィリップスは、映画を通して登場することはない。(肖像画すらも見せてもらえない)
 
「狂気の要素を持っている馬鹿馬鹿しい話は、まさにそのために芸術に近づくんです」とサークは言う。「狂気の要素」であるオブセッションとは、ボブがフィリップスに取り憑かれていると嘆くように、フィリップスその人である。この「馬鹿馬鹿しい話」とは、ボブがフィリップスになる話。

 名前と人がそれぞれ一致しないヘレンとの出会いから、画家のエドワードのアドバイスを経て、ヘレンの許しがほしいボブはフィリップスの真似をしようとする。フィリップスの像に近づこうとする試み。
 しかしヘレンを失明させることで、ボブの真似る像は奪われる。(ヘレンから奪うことでボブからも奪われる)
 ヘレンに像を戻そうと奔走するボブ。
 しかし、手術は無理だと診断される。
 ヘレンに正体をあかすボブ。
 ボブだと知っていたヘレン。
 いつからボブだとわかっていたのか?とヘレンに問うことは、いつから真似ることに意味はないと知ったのか?とボブに問うことと同義である。
 いつのまにかボブだと知ったヘレン。
 いつのまにかフィリップスを真似ることがフィリップスになることではないと知ったボブ。
 となればあとは、その目的を消せばいい。
 姿を消すヘレン。
 フィリップスになる目的=ヘレンを失ってなおフィリップスになろうとするmagnificent obsession
 そして見事フィリップスになったボブに、ヘレンの視力が戻り与えられるのは、それゆえフィリップスではなくボブの像なのだ。
 


 「心のともしび」の1つ前に撮影された「アパッチの怒り」で、ラッセル・メティですらどうしようもなかったのであろう、ただアンダーなだけの擬似夜景には辟易させられたが、本作の窓外は素晴らしい。どのバックも良かったが特に、最後、ナイターの病室でレースカーテンから透け見える山と夜空はおそらくデイシーンのバックと同じものを使用しながら、本物以上に美しい。(もちろん本物のナイターであれば映らない)


 
 
 

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  1. 2008/08/02(土) 06:27:10|
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著書

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中澤正行

Author:中澤正行
撮影監督

主な作品
2006「天使の卵」
同年 第50回三浦賞受賞
2008「あの空をおぼえてる」

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