撮影監督の映画批評

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最高の人生の見つけ方

最高の人生の見つけ方

 (ネタバレあり)
 入院する病室で大富豪と同室にならなければ話がはじまらない話をそつなくはじめているのは、さすがハリウッド。(どう考えても前フリにしか思えないマスタングのキーホルダーは御愛嬌といったところか)
 寝たまま首を曲げずにテレビを見ることのできるメガネをかけたエドワード(ジャック・ニコルソン)とエドワードのおしゃべりがうるさくてヘッドフォンをするカーター(モーガン・フリーマン)。
 エドワードに余命をつげる医師、いつのまにかヘッドフォンを外してエドワードを見つめるカーター。
 カーターに背をむけるエドワードだが、医師がカーターに余命をつげると、いつのまにかカーターを見つめているエドワード。
 そんなエドワードとカーターをカットバックすることで、二人の背景が異なることは際立たせつつ、二人の類似を強調していく。

 病院を抜け出して、エドワードの金に物言わす二人旅がはじまる。それを律儀に二人のカットバックで構成するシーンが続く。最初のスカイダイビングやカーレースなどはそれなりだが、それから先どんなに背景が豪華に変わろうとカットバック主体の背景では、貧しすぎるし退屈なのだ。
 エドワードがよこした女性と、登ることのできなかったチョモランマの話をしているカーターの目の輝き、観客もまたそこで語られる見えない光景に魅了される。
 どんなにスペクタクルなものでも、手が届かなそうなものでも、手にしてしまうとその輝きを失う。
 やりたいことがやれたことにではなく、やりたいことをやれるまでの時間にこそ、人は魅了される。

 透明な無時間的なカットバックは、アメリカに戻って非対称なカットバックになる。カットバックを非対称にするものは何か?
 (残された)時間である。
 同じように入院し、同じように余命を生きてきたが、死ぬのはカーターの方が早い。
 アメリカに戻ってきてから消されるリストは、結果消されることになるものばかりだ。なぜならそこに時間が介入したから。時間がリストを消していく。
 
 エドワードとカーター二人を延々カットバックでつなぐことだけで構成された映画。ただそのカットバックの意味合いが途中で変わる。何気ない風情を装いながら、実に計算された見事な映画。


 追記 オチのあざやかさもさることながら、エドワードの秘書がいい。ハリウッドらしいキャラクターだと思う。




 
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テーマ:最高の人生の見つけ方 - ジャンル:映画

  1. 2008/05/12(月) 03:32:41|
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著書

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中澤正行

Author:中澤正行
撮影監督

主な作品
2006「天使の卵」
同年 第50回三浦賞受賞
2008「あの空をおぼえてる」

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