撮影監督の映画批評

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「フィクサー」

フィクサー

 「レザボアドックス」でオレンジ(ティム・ロス)が、潜入の為におぼえる小話がある。練習シーンと、実際披露するシーン、想像上の視覚化されたシーンで、繰り返すことなく一つのストーリーを語り継いでいた。
 同じように「フィクサー」でもカレン・クラウダー(ティルダ・スウィントン)が、インタビューの回答をあらかじめ練習しているシーンと、実際インタビューを受けているシーンを交互に繋いでいる。

 カレンがその少ない出番にもかかわらず、主人公マイケル・クレイトン(ジョージ・クルーニー)にも負けないくらいの存在感を放っているのは、ティルダ・スウィントンが上手いだけではない。
 例えば、「レザボアドックス」のブロンド(マイケル・マドセン)のようにエキセントリックゆえの存在感でもない。
 ただエグゼクティブであるだけの、あえて言うなら普通の女性として描かれている。
 では、何かそれだけで共感できてしまうような人となりを紹介するエピソード、例えばエグゼクティブな仮面の下に隠れている人間的な一面だとかが描かれているのか?
 そのような描写は一切ない。あってはいけない。
 なぜなら、どのように見られたいかに腐心している描写だけで、この存在感を得ているからだ。
 エグゼクティブである描写では不足、エグゼクティブであるのは仮面なのですという描写さえあれば、その仮面の下の人となりは描かれなくてもいい、むしろ描かれない方がいい。
 あなたが今見ているのは、本当の私ではない、あくまでも仮面なのだと常に観客に喚起することだけに徹すればいいのだ。
 それだけで観客は、その仮面の下の素顔に思いを馳せるのだから。
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テーマ:フィクサー - ジャンル:映画

  1. 2008/05/07(水) 01:13:11|
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中澤正行

Author:中澤正行
撮影監督

主な作品
2006「天使の卵」
同年 第50回三浦賞受賞
2008「あの空をおぼえてる」

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