撮影監督の映画批評

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再会の街で

再会の街で

 チャーリー(アダム・サンドラー)が再生する話の体裁で、アラン(ドン・チードル)が再生する話。
 見るからに病んでいるチャーリーを、なんとかして立ち直らせようとする当のアランこそが病んでいるというのは、抑圧のあり方をチャーリーのトラウマの描写よりも雄弁に物語る。
 つまり、抑圧していることを当の本人は知らないというのが、抑圧のあり方なのであれば、まるで事故のことを故意に忘れようとして苦しんでいるかのようにも見える(というか、そのようにしかみえない)チャーリーよりも、自身が絵に描いたような幸せを享受していると疑いもしないアランとして描かれるアランの方が、該当する。

 チャーリーの闇(闇という表現=光)が、アランの闇を照射する。

 そのアランのあり方が、とりもなおさずチャーリーの抱えるトラウマ(表現としての闇ではない闇)を逆照射する。

 チャーリーを癒すことで、アランが癒され、それがチャーリーを癒す。闇の見せ方と同じ道程を経て再生も描かれる。
 この螺旋構造は見事。であればこそ、チャーリーを触媒としたアランの再生の話として描いた方が良かったのでは?
 アランの物語をしっかり描くことが、翻ってチャーリーを描くことになるのだから。
 チャーリーの生きづらさは、アランの生きづらさが逆照射してくれるはずである。
 
 しかし後半、映画はチャーリーの描写に終始する。アランの描写から逆照射を受けることなく進行する後半は、それだけにキビシイ。
 ドナ・リマー(サフロン・バロウズ)とチャーリーの描写も、アランと妻ジャニーン(ジャダ・ピンケット・スミス)の描写が等閑だっただけに、とってつけたようにしか見えないのはもったいない。
 
 

 
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テーマ:ミニシアター系 - ジャンル:映画

  1. 2008/01/26(土) 16:10:57|
  2. 映画感想
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<人のセックスを笑うな | ホーム | 「夜顔」>>

コメント

アダム・サンドラーがトラウマを持っていて、再生する話だけでも、彼のこれまでの作品から予想がつきません。観たいです。
  1. 2008/01/31(木) 00:53:38 |
  2. URL |
  3. rin #-
  4. [ 編集]

>rinさん
コメントありがとうございます。
ちなみに、この作品はジェネシスというパナビジョン社製のHDにて撮影されています。低照度のシーンを除けば、フィルムで撮影されたものと見分けがつきません。
劇場で御覧になるのでしたら、その見分けのつかなさも実感できると思います。
  1. 2008/02/01(金) 11:42:10 |
  2. URL |
  3. DPMN #-
  4. [ 編集]

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中澤正行

Author:中澤正行
撮影監督

主な作品
2006「天使の卵」
同年 第50回三浦賞受賞
2008「あの空をおぼえてる」

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