撮影監督の映画批評

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ぜんぶ、フィデルのせい

ぜんぶ、フィデルのせい

 文字通り、徹底して、9歳の少女、アンナ(ニナ・ケルベル)の目を通して語られる。
 そのほとんどが、アンナに寄り添うカメラと、その見た目で構成されている。徹底ぶりは、見た目の方ではなく、見る主体であるアンナを捉える画に顕れていて、カメラの光軸を、9歳の子供の目線の高さまで下げ、アンナに寄り添うことで、アンナの周りを行き交う大人の顔を、一切見せない。
 シネマスコープサイズの選択は、そこにあって、その横長のフレームで、アンナの目線と同じ高さのものは目一杯取り込むが、高さの異なるものはバッサリ上フレームで切ってしまうのだ。
 すると、大人たちはどのようにしてこの映画に登場するのかといえば、それはアンナの見た目を通してということになる。見た目とは距離の意識でもあるから、この映画に出てくる大人はおしなべて距離をもって描かれる。
 であるから、大人の登場人物はその距離を踏破するのに、アンナに近づくだけでは不十分で、アンナの目線の高さまで降りなければならない。(あるいはアンナを抱き上げてテーブルの上に乗せ、目線を同じくして合唱しなければならない)

 このアンナ視点の徹底ぶりは見事なのだが、弊害もあってどうしても映画が窮屈になってしまう。そのため広い邸宅から狭いアパートに引っ越したというコントラストが描きづらい。もちろんアンナの目を通して様々にその変化を描く工夫はなされているのだが、それは情報の積み上げでしかなく、空間の広狭は描けていない。それでも冒頭の結婚式での大人たち(昼の庭)と、キョーサン主義の大人たち(夜のアパート)のコントラストは鮮やかであった。

 この徹底があるからこそのラストのクレーンアップなのだが、それはよくわかるのだが、どうだろうか?好き嫌いでしかないと思うが、ちょっと・・・。


 
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テーマ:ミニシアター系 - ジャンル:映画

  1. 2008/01/24(木) 14:50:39|
  2. 映画感想
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

なんかいいところを見つけたと言う感じで、連日の訪問です。作品も私好みばかり。周りに映画関係者は多くても、カメラマンは親しく話す方がいなかった!色々な情報がものすごく参考になります。これから教えてください。実は個人ブログはいざと言う時の記事の保存くらいのつもりで始めたのだけれど、ここを知って始めた甲斐があったと喜んでいます。私の方は拙い物ですが、気が向いたらURLから覘いてください。
  1. 2008/02/10(日) 22:40:46 |
  2. URL |
  3. 映画のツボ #-
  4. [ 編集]

>映画のツボさん
コメントありがとうございます。
ブログ拝見しました。
私の方が、よっぽど拙いです。
人に読んでもらえる文章でなければとは思いつつも、そのように構えてしまうと全然書けなくなってしまうので・・・。
と、言い訳しながら書くから駄目なんですね、きっと・・・。
そんなこんなですが、これからもよろしくお願いします。
  1. 2008/02/11(月) 21:37:24 |
  2. URL |
  3. DPMN #-
  4. [ 編集]

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著書

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中澤正行

Author:中澤正行
撮影監督

主な作品
2006「天使の卵」
同年 第50回三浦賞受賞
2008「あの空をおぼえてる」

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