「スリザー」
スリザー

 こういう映画を観ると、ハリウッドって凄いなぁとあらためて思う。

 「ドーン・オブ・ザ・デッド」の脚本家、ジェームズ・ガンの初監督作ということらしいのだが、その語り口は新人らしからぬ的確さである。スタントマン出身の監督デヴィッド・R・エリス(「セルラー」「スネーク・フライト」)が(厳密にはデビュー作というわけではないが)「デッド・コースター」で魅せた老成された演出を髣髴させた。
 
 パラレル・モンタージュが大仰にならず、さりげなく配されているのに好感が持てる。

 1つは冒頭、宇宙生命体が付着する隕石の落下とパトカーの中で交わされる鳥の飛ぶスピードについての会話。鳥の描く軌跡と隕石の落下の類比。そのスピードの対比。
 警察署長ビル(ネイサン・フィリオン)を、帽子で顔を隠させて登場させ、すぐには顔を見せないことで主人公たらしめている。
 パトカーの後ろに落ちる隕石。予想に反して小さいものらしく落下の衝撃もなく、全く気づかれない。予想外のインパクト。

 2つめは、寄生されたグラント(マイケル・ルーカー)がブレンダを襲うそれと、鹿狩り解禁のパーティー。解禁のカウントダウンにあわせるように、グラントの触手が伸びる。

 最も危険に近く、無防備な人物と、最も早く死んでほしい人物を、最後まで生き残らせるというストーリーテリングの確かさ。主人公スターラ(エリザベス・バンクス)はもちろんのこと、農場の娘も入浴中というその一家の中で最も無防備であろうはずのそれゆえ、生き残れる資格を与えられる。
 もう一人、口の悪い町長がその憎らしさゆえに生き延びるのだが、最後までというわけにはいかない所が残念に思われるくらい魅力的であった。
2007/12/10(Mon) | 映画感想 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
コメント
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セルラーは主演女優が好きなので見ました。筋書きも、職業設定もよく出来ていたと思います。電話線を繋いで外部コンタクトを撮るまではいいのですが、、お仕舞いの方が、老刑事の感ですんなりと運びすぎて、何となく物足りませんでした。
by: rin * 2007/12/25 03:29 * URL [ 編集] | page top↑
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>rinさん
コメントありがとうございます。
>お仕舞いの方が、老刑事の感ですんなりと運びすぎて、何となく物足りませんでした
確かにそうかもしれませんね。御都合主義と経済的な語りとは、紙一重の差しかありません。どこに紙一重の差をおくかは、人それぞれですから曖昧なものです。なので、同じ理由で駄目だという人といいという人に別れますね、この手のものは。
私はジェームズ・ガンもデヴィッド・R・エリスも好きです。理由はおそらくその二人をキライという人の言う理由と同じです。
by: DPMN * 2007/12/29 21:21 * URL [ 編集] | page top↑
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