撮影監督の映画批評

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「クワイエットルームにようこそ」と「17歳のカルテ」

クワイエットルームにようこそ

 (ネタバレあり)
 巷間よく言われる「17歳のカルテ」との類似だが、実際よく似ている。
 公式サイトでのインタビューでは、「カッコーの巣の上で」の影響を語っていて、明日香(内田有紀)が蕁麻疹になったときに婦長(りょう)と闘って勝利するシーンを例にあげているが、「カッコーの巣の上で」からなら、そのくらいだろう。いっそ「17歳のカルテ」の本歌取りなのだと言ってしまった方が潔い気がするのだが。(後に述べるように、その本歌との違いが、この映画の最も魅力的な部分なのだから)あるいは言わずもがなということか。
 類似点(例えば「オズの魔法使い」の引用や、かたや蒼井優を「化け物」と言い、かたやアンジェリーナ・ジョリーを「死んでる」と言うことが、どちらも終盤の転換点になっている点など)をあげつらっても面白くないので(実際には、それはそれで面白いのだが)、異なる点を。

 「17歳のカルテ」で退院していくスザンナ(ウィノナ・ライダー)は、リサ(アンジェリーナ・ジョリー)に退院して必ず会いに来いと言う。さらにラスト、スザンナのモノローグで、後に退院した幾人かと実際に再会したと語られる。
 これに対して「クワイエットルームにようこそ」では、先に退院する栗田(中村優子)に皆の連絡先を捨てさせるのだし、明日香もまたその栗田の連絡先を捨てる。明日香に寄せ書きを渡すミキ(蒼井優)もまたこの寄せ書きは捨てろと命ずる。
 「クワイエットルームにようこそ」での友情は稀薄だったということなのだろうか?
 確かに友情の描写という点では「17歳のカルテ」に分があるかもしれない。
 しかし「クワイエットルームにようこそ」の登場人物らに通底する諦念が、「17歳のカルテ」でのハリウッド的友情讃歌を凌いで、むしろ友情を一瞬の輝きとして際立たせているとは言えまいか。
 両者を比較すると、同じ題材をかたやシリアスに(「17歳のカルテ」)かたやコメディタッチで(「クワイエットルームにようこそ」)描いているように言われていて、ほぼそのとおりなのだが、この上記の一点でそれは逆転しているように思われる。
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テーマ:日本映画 - ジャンル:映画

  1. 2007/11/20(火) 01:21:38|
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著書

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中澤正行

Author:中澤正行
撮影監督

主な作品
2006「天使の卵」
同年 第50回三浦賞受賞
2008「あの空をおぼえてる」

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