「サッドヴァケイション」のフラッシュフォワード
サッドヴァケイション

 茂雄(光石研)が訪れた秋彦(斉藤陽一郎)の部屋のシーンが特徴的なように、1カットで撮影されたものを編集で摘んでジャンプさせているのが散見される。
 と思えば、寝転がる健次(浅野忠信)を俯瞰で捉えていたカメラが、起き上がり川に入っていき流れに身を任せ横になる健次を延々1カットで捉える象徴的な長まわしもある。

 みるべきものは多いが、なかでもフラッシュフォワードが面白い。
 田村梢(宮崎あおい)が間宮運送を訪ねてきて、寮を紹介されるなかでフラッシュフォワードされる寮にすでに置かれた梢の荷物、1カット。
 再び現在に戻り、その現在がフラッシュフォワードされた1カットに追いついてその荷物と梢を捉える。
 
 健次が間宮運送を去るシーンでも、千代子(石田えり)との言い争いの最中にフラッシュフォワードされるすでに去り行く健次の1カット。
 再び言い争いに戻り、フラッシュフォワードで先取りされた別れへと進んでいく。

 フラッシュフォワードされることで、それはさけられないことであるという印象が強調される。
 そうなる他ないという無常。
 『人はみんな偶然はないよ。会うべき人にみんな会うんだ』
2007/09/16(Sun) | 映画感想 | トラックバック(1) | コメント(0) | page top↑
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