撮影監督の映画批評

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「石の微笑」

石の微笑

 とにかく巧い。全てが巧い。
 
 主人公であるフィリップ(ブノワ・マジメル)とセンタ(ローラ・スメット)の二人を、どのようにして一つのフレームに収めるか。
 記念撮影のカメラマンの後ろを通り過ぎながら、被写体である新郎新婦たちを見るフィリップ。
 POVのカメラはフィリップの動きをなぞって横移動するのだが、その被写体の中でセンタの視線だけがその移動についてくる。撮影が終わってセンタ以外は、屋内に入ってしまい、その場/POVのフレームに残されるセンタ。センタのPOVのようにフィリップに近づくカメラは、近づくにつれて横位置に回り込み、センタをフレームインさせて、二人を一つのフレームに収める。
 このフレームを我々観客は、すでに見ている。
 フィリップとセンタは、出会う前にすでに出会っている。
 それは石の彫像フローラを手にするフィリップを収めたフレーム。


 雨に濡れたセンタがやってくるカットのズームは、それと気づかれないが的確なズームとして映画史に残ると言っても過言ではない。
 玄関の扉が開くとそこにずぶ濡れのセンタが立っている。そのセンタが中に入ると同時にズーミングされるフレーム。ただそれだけのズームがなぜそれだけの力を持つのかわからないが、観た方には納得してもらえると思う。


 この作品はヨーロピアンヴィスタで撮影されている。フレームレシオの選択というのは、映画外的な制約を受けたり、制約がなくてもその選択理由は、恣意的であったりこじつけにすぎないことが多い。
 だが、「石の微笑」の海のシーンを観ていると、これはもうヨーロピアンヴィスタ以外は考えられない。それくらいこのフレームレシオと海でのフレーミングは絶対なのだ。

 


 
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テーマ:ミニシアター系 - ジャンル:映画

  1. 2007/07/02(月) 02:22:12|
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  1. 2007/07/09(月) 12:52:51 |
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著書

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中澤正行

Author:中澤正行
撮影監督

主な作品
2006「天使の卵」
同年 第50回三浦賞受賞
2008「あの空をおぼえてる」

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