撮影監督の映画批評

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さよなら。いつかわかること

さよなら。いつかわかること

 スタンレー(ジョン・キューザック)のもとに、妻グレイスの訃報が届く。その訃報を届けにきた軍人が喋り続ける中、カメラはスタンレーにトラックアップしていき、と同時にその喋り声が遠くなっていく。
 カメラがスタンレーの顔に寄り切って、喋り声も消えると、カットがかわって引き画に。
 しかしその引いた画には、もう軍人はいなくなっていて、スタンレーだけの静かな空間。
 ここで時間経過があったことは容易にわかるのだが、もしかしたら今の一連はスタンレーが恐れていたことが幻視として現れただけなのではとも思わせる。
 しかし、この映画が妻が戦死した家族の話だということを、ほとんどの観客が前情報なりで知っているはずということもあり、その考えはすぐに打ち消されるはずだ。
 つまり「わかってはいるのだが、もしかして」と思わせる。この観客の思いは、妻の訃報を聞かされたスタンレーの心情とピッタリ重なる。「わかってはいるのだが、もしかして」

 フロリダにあるテーマパーク。そこではすでに娘のハイディ(シェラン・オキーフ)は、留守番電話に吹き込まれたスタンレーのメッセージを聞いているので、母になにかがあって、それを父が自分たちに伝えられないことを知っている。だがハイディは、何もなかったかのように遊園地を楽しむ。
 何もなかったふりをするスタンレーとハイディ。それぞれがそれぞれに求めるだろうと思う役割を演じている。そこに何も知らない妹ドーン(グレイシー・ベドナルジク)。

 ラストの海。スタンレーは、娘二人に母が死んだことを伝える。スタンレーが軍人からその訃報を受け取った時と同じように、スタンレーが伝える声が遠くなっていく。しかし、今度は一度消えた声が再び聞こえてくるのだ。
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テーマ:さよなら。いつかわかること - ジャンル:映画

  1. 2008/04/27(日) 19:00:07|
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著書

プロフィール

中澤正行

Author:中澤正行
撮影監督

主な作品
2006「天使の卵」
同年 第50回三浦賞受賞
2008「あの空をおぼえてる」

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